福本先生、渾身の一作
「涯」について書いていたら続けて書きたくなりました(^^)
昨日に続いて、今日は「その2」最強伝説 黒沢です。
福本先生も「思い入れのある作品」とコメントされており、いつぞやのアメトーーク「福本伸行作品大好き芸人」でも取り上げられていましたね。
私もこの作品とても好きです。ビッグコミックオリジナルで連載され、コミックスは全11巻、「涯」と同じで私はコンビニ版を持っています。
何だか昨日も同じことを書いたような気がしましたが、この作品も、先生にとっては不本意な終わり方をしています。でも、このラストもすごく良いんですよ。先生にとって「ベストな終わり方」っていうのがどんなものだったのか想像するのも面白いですね。
なぜ最強なのか?なぜ伝説なのか?
「最強伝説」というわりに主人公は、建設会社のベテラン作業員で全然カッコよくありません。アカギとか零とか、天才キャラクターを描くのが下手ではない福本先生ですが、「カッコ悪い」に振り切れています。たいてい「悶々」としているし、お話ですから仕方ないのですが、よくトラブルに巻き込まれます。
黒沢は、力はあるし、ごく稀ですが「良いこと」も言います。しかし、最強でも伝説でもない・・・逆説的な魅力というところでしょうか。
「人望が欲しいっ!!」
いくつかあるエピソードで出色なのは、主人公が止せばいいのに後輩にライバル心を燃やしてしまい、ただでさえ少ない人望をさらに失う残念な結果に・・・アジフライを題材にこんな面白い話が書けるなんて!経験したことのない衝撃でした。
ネタバレ回避のこのブログではこれ以上書きませんが、このエピソードをはじめ、不器用で、愛すべき?なんとなくぎこちない黒沢の物語が展開されていきます。
あと「太郎ちゃん」(交通誘導の人形です!)のエピソードもとても好きです。福本先生の日常の切り取り方が愛に溢れていて、じんわり感動すらします。
ご紹介するのは前半エピソードに寄ってしまいましたが、どこから読んでも楽しいし、人情系のギャグ漫画になっています。でも、おすすめは第一巻から通しですね。黒沢「らしさ」が最初から全開しています。
顎は「しゃくれています」
涯は尖っていましたが、黒沢の顎は大変にしゃくれています。こちらも特徴あるキャラクターで、いつも同じような書き方のはずなのに、「ハッキリ違う」福本先生の画の特徴が出ていると思います。
黒沢の同僚・坂口はちょっとだけ「涯」に似ています。こちらはわざと似せているんじゃないかと思う位です。年を重ねた涯と坂口を重ねてみる人もいるんじゃないですかね。
続きは「新黒沢」で(^^♪
先生言うところの「不本意な終わり方」をしたこの作品ですが、「新黒沢」として8年後の世界に復活します。こちらもとても面白いのでおススメですが、また別の記事でということで(^^)/
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