特別なGⅠ「競走馬の頂点」
明日は、東京競馬場で日本ダービーが行われますね。
私が競馬を知ったとき(幼稚園か小学校低学年のときだと思います)から、ダービーは日本中の競馬に携わる人なら一度は手にしたい栄冠、目標として存在してきました。
今でこそ、多様なレース形態、価値観が認められるようになって「ダービーこそが最高の栄誉」というイメージはだいぶ薄くなりましたが、それでも数あるGⅠレースの中でも別格の存在感を誇りますし、一着賞金も2億円と、ジャパンカップ、有馬記念に次ぐ国内3番目の高いものとなっています。
「一生に一度のレースだから大事」という表現もされますが、一生に一度しか出走できないのは「馬齢限定戦」は全部そうなので、あまり良い説明ではないのかも知れません。自分の解釈ですが、生産・育成・調教・レースが、この「ダービー」を一つの区切り、目標にされているところが重要なのかなって思ってます。極端にいうとダービーの後の競走は「おまけ」なんですね。
全競走馬の目標になっていて、「ダービーには届かなったけれど、この馬にはこんな良いところがある」という一つの基準になっているのが、ダービーの価値だと思います。
ダービーは競馬の一年の締め括り
上で書いたように、ダービーはひとつの区切りになっています。ダービーは3歳馬の頂点を決める競走。その翌週から2歳馬のレース「メイクデビュー」が始まります。一年をかけて頂点を争うわけですね。
JRAは何年か前に年度単位で競走結果を扱うのもやめていて、1年はお正月の金杯から始まって、年末の有馬記念で終わるというイメージもありますね。ただ、レース体系として眺めると、このダービーを基準にしたレースカレンダーというのがはっきり分かると思います。興味を持たれた方は、もう一度ダービーを基準に、どのようなレースが組まれているかご覧になって頂けると、ダービーがなぜ重要視されるのか更に分かって面白いと思って貰えるかなと思います。
三冠、クラシック競走、5大競走、8大競走・・・
ダービーの正式な名称は「東京優駿(とうきょうゆうしゅん)」と言って、日本ダービーは副称ですけれども、競馬の本場イギリスのダービーを模範に作った競走ですので、創設初期からダービーという呼び名は定着していたようです。
子どもの頃からしっくり来なかったので整理しておきたいのが、見出しの「呼び方」ですね。
新聞やテレビで「クラシック」という言葉を見かけると思いますが、クラシックは、
3歳限定の重要競走「皐月賞」「日本ダービー」「菊花賞」の「三冠」(牡馬も牝馬も出られるけど牡馬優勢)と、
春(4・5月開催)に行われる牝馬戦「桜花賞」「オークス」の「二冠」
を合わせた5つの競走だけのことを指していて、これを「5大競走」と呼びます。
8大競走は、この5大競走に、天皇賞(春・秋)と有馬記念の3つを加えたものです。レースカレンダー的に全部勝つのは不可能(オークスの翌週がダービーだったり、昔の天皇賞は1度勝つともう出られませんでした)で、5つ勝った「シンザン」が歴史的名馬として名を残しています。
ただ、GⅠ競走が整備されてから(これも30年以上経ちますけれど)、GⅠを勝つたびに〇冠と数えるのも、これはこれで「有り」になっていますので、さすがに今は「結局何なの?」という疑問はありません。
競うものはなんでも「ダービー」
ダービーは、イギリスの伯爵の名前でしたが、「頂点を競うもの」として日本語に定着していますね。
国内どころか世界中に「ダービー」は存在しますし、競輪の日本選手権は「競輪ダービー」と呼ばれますし、競艇の全日本選手権は正式な名前まで「ボートレースダービー」に変更しています。
もう古くなってしまいましたが、「巨泉のクイズダービー」、「さんまの何でもダービー」など、テレビ番組名にもなっていましたね。
歴史的名馬誕生の瞬間か!?
あまり言わないですけれど、今日はダービー前日、「ダービーイブ」です。聞ける人皆に予想を聞いて回る前日の方が楽しかったりもします。
明日は、福永祐一騎手騎乗のコントレイルが単勝1倍台の人気になりそうですね。一番人気の馬が勝つことが多いダービーですけど、単勝1倍台というとほとんどいません。歴史的名馬になるのか、はたまた違う結果になるのか、とても楽しみです。本当に予想は下手ですが、「中山で勝てる実力馬は、東京ではもっと強い」というのが自分の考えです。それでは、皆様にとって明日が良い休日になりますように。
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