度重なるケガから復活、奇跡の名馬!
先日想い出を書いたミホノブルボンの前年(1991年)にクラシックで活躍したのがトウカイテイオーです。このお馬さんも無敗で皐月賞と日本ダービーを制し、年度代表馬に輝いています。
ただ、この馬がドラマチックなのは、そのあとに続くお話でして、日本ダービー優勝後、ケガが判明するところから始まります。
最初は面白みのない馬だったんです
この馬のお父さんは「皇帝」と称されたシンボリルドルフです。無敗の三冠馬で、そのルドルフの子どもたちの最初の世代がトウカイテイオーの世代になります。皇帝の子が「帝王」で、その子も無敗って、当時の自分には全然響かないストーリーでした。
ケガの翌年、天皇賞(春)で初の敗北
秋の菊花賞をパスして三冠を棒に振り、翌年春の復帰戦・大阪杯を楽勝しましたが、1番人気に推された天皇賞では、屈指の名ステイヤー(長距離戦が得意な馬)・メジロマックイーンの5着に敗れてしまいます。
人気を裏切ってしまう形にはなりましたが、元々人気の高いこの馬の人気はこの辺から更に上昇していったと思います。
ケガから再起!国際GⅠ・ジャパンカップを制す
敗れた天皇賞(春)ではケガが見つかりました。半年後の復帰戦・天皇賞(秋)で1番人気でまたも敗れてしまいますが、次戦ジャパンカップでは世界の強豪を相手に見事優勝を果たします。
その年の最終戦・有馬記念では調子を崩し敗退、このシーズンのトウカイテイオーを買うのは本当に難しかったと思います。
再々起!一年ぶりのレース・有馬記念に優勝、そして引退
有馬記念敗退後、再起を目指しましたが、再びケガが判明し、なかなか復帰戦までこぎつけられません。結局、復帰戦は丸々一年後の有馬記念となります。
しばらく人気を集めながらも裏切る結果が多かったですが、さすがに一年ぶりのレースとなると、一番人気にはなりませんでした。ところが、今度は逆の形でファンの予想を覆し、見事にこのレースを制してしまいます。
翌年も現役続行を目指しますが、やはりケガが判明し、復帰叶わずとなって1994年引退となりました。
よく考えてみると、日本ダービー後のこの馬って、人気と逆の結果がとても多いんですね。それでも人気が高いのは、この馬が、度重なるケガ、不調を乗り越えて、何度もチャレンジする姿に多くのお客さんが心打たれたからだと思うんですよ。皐月賞・ダービーの鮮やかな勝ち方も印象には残りますが、ジャパンカップ、有馬記念は伝説と言って良いものだと思います。
避けられない血統のお話
親子三代日本ダービー制覇の夢を託され、種牡馬生活を始めました。
産駒もGⅠに優勝したり、決して成功しなかった訳ではありませんが、何しろ「皇帝」の後継馬で、自身もGⅠを4勝もした名馬でしたから、夢の続きを見たいという人が沢山いるのは当然だと思います。
「血統が絶える」というのは一大事にも思えるかもしれませんが、「母の父」として成功したり、何代か後に、その血が背景となって活性化を生んだり、何がどうなるかなんて分かりません。今が良くても、それが将来も良いとも限りません。
トウカイテイオーは2013年、25歳で没しましたが、多くのファンに愛され、伝説のレースを残した名馬です。それだけでも十分すぎるほど凄いことだと思います。
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